日本獣医師会『家庭飼育動物の診療料金実態調査(令和5年)』によると、猫の去勢手術は中央値12,500円、避妊手術(卵巣子宮切除)は中央値22,500円です(いずれも麻酔料は別)。実際の請求は麻酔・術前検査・入院・カラーなどが上乗せされます。飼い猫向けの助成は新宿・世田谷・荒川の3区で確認でき、去勢2,500〜3,000円・不妊4,000〜6,000円が戻ります(事前申請・区民要件・予算枠に注意)。うちのココとちくわは2匹とも手術済みですが、実費は今確認中です(n=2の記録)。
先に結論から書きます。
猫の手術費は、日本獣医師会の令和5年調査で、去勢が中央値12,500円、避妊(卵巣子宮切除)が中央値22,500円です。ただしどちらも麻酔料は別で、実際の請求はもっと上がります。 そして自治体によっては助成金が出ます。東京都内の飼い猫向けだと、去勢2,500〜3,000円・不妊4,000〜6,000円が戻る区を確認できました。手術前の事前申請が必要で、条件は毎年変わります。
このページは、公的な一次資料で裏づけできる数字だけを、出典・確認日つきでまとめました。
手術費の目安(日本獣医師会の調査)
猫の手術費には、実は公的な一次資料があります。日本獣医師会(JVMA)が全国の獣医師1,096人(診療施設)を対象に行った『家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和5年9月公表)』 です。ここに、手術料の中央値と分布が載っています。
| 手術 | 中央値 | 補足 |
|---|---|---|
| 猫の去勢 | 12,500円 | 10,000〜20,000円未満の帯に6割超(32.5%+30.0%) |
| 猫の避妊(卵巣子宮切除) | 22,500円 | 20,000〜30,000円未満の帯が中心(32.1%+21.0%) |
| 猫の避妊(卵巣切除) | 22,500円 | ただし「対応外」の病院が54.7%と過半 |
出典: 日本獣医師会『家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査』(令和5年)/全て麻酔料を含まない手術料
いちばん大事な注意点を書きます。この数字は、すべて麻酔料を含まない「手術料」です。 実際に病院で払う金額は、ここに麻酔料・術前の血液検査・入院・エリザベスカラーなどが上乗せされます。だから「去勢は12,500円で済む」という読み方は正確ではありません。手術料の中央値がこのくらい、という目安として見てください。総額は病院によって幅があります。
避妊手術には、卵巣だけを取る「卵巣切除」と、卵巣と子宮の両方を取る「卵巣子宮切除」があり、日本の病院では卵巣子宮切除が一般的です(卵巣切除は「対応外」の病院が過半でした)。どちらの術式にするかは、医療上の判断です。時期や適否も含めて、主治医と相談してください。
助成金(東京都内3区の実額)
自治体によっては、手術費の一部を助成してくれます。ただしここに大きな落とし穴があります。多くの区は「飼い主のいない猫(野良猫)」だけを対象にしていて、飼い猫は対象外です。 うちのように家で飼っている猫が使える助成は、区によって有無が分かれます。
飼い猫向けの助成を確認できた、東京都内3区の実額です(2026年7月時点の各区公式値)。
| 区 | 対象 | オス(去勢) | メス(不妊) | 事前申請 |
|---|---|---|---|---|
| 新宿区 | 飼い猫 | 2,500円 | 4,000円 | 必須 |
| 世田谷区 | 飼い猫 | 3,000円 | 6,000円 | 必須 |
| 荒川区 | 飼い猫 | 3,000円 | 6,000円 | 必須 |
出典: 各区公式ページ(2026-07-05確認)。金額は助成される額
それぞれ、条件に細かい注意があります。
- 新宿区: 区民(在住・在勤・在学)が区内で飼う猫が対象。承認書には有効期限があります(承認月の翌月末まで)。別に「飼い主のいない猫」向け制度(去勢5,000円・不妊9,000円)もあります。
- 世田谷区: 区民の飼い猫が対象。都獣医師会(世田谷支部)加盟の区内の病院で、承認から90日以内に手術する必要があります。予算がなくなり次第、締め切りです。
- 荒川区: 荒川区民が対象。令和8年度の予定頭数はメス76頭・オス54頭で、達成次第で終了。屋外飼養の場合は術後に屋内飼養する誓約が必要です。
3区に共通する注意をまとめます。どれも手術前の申請が必須です(術後の申請では交付されません)。区民などの要件があり、予算や件数の上限で年度途中に締め切られることがあります。金額・条件は毎年度改定されます。 環境省の全国助成統計(令和5年3月時点)でも、こうした助成制度が全国に広く存在することが確認できますが、個別の最新金額は各区の公式ページが正しい情報です。
お住まいの地域の助成の調べ方
ここに挙げたのは3区だけです。全国の自治体を網羅はできないので、調べ方をそのまま書きます。
検索窓に**「(お住まいの自治体名) 猫 不妊 去勢 助成」**と入れてみてください。たいてい自治体の公式ページが最初のほうに出てきます。そこで確認したいのは、次の5点です。
- 飼い猫が対象か(「飼い主のいない猫」だけの制度でないか)
- 金額はいくらか
- 事前申請が必要か(多くは手術の前に申請が必要)
- 区民などの要件はあるか
- 予算枠は残っているか(年度途中で締め切られることがある)
この5点さえ押さえれば、使えるかどうかがだいたい判断できます。
なぜ手術をするのか(行政の飼養基準)
「そもそも手術は必要なのか」という点について、行政の飼養基準がどう定めているかだけ、中立に紹介します。医療上の適否は主治医の判断です。
環境省の『家庭動物等の飼養及び保管に関する基準』には、繁殖制限として次のように書かれています。
所有者は、その飼養及び保管する家庭動物等が繁殖し、飼養数が増加しても、適切な飼養環境及び終生飼養を確保できるよう、(中略)去勢手術、不妊手術、雌雄の分別飼育等その繁殖を制限するための措置を講じること。
猫については、さらにこう定められています。
猫の所有者は、繁殖制限に係る共通基準によるほか、屋内飼養によらない場合にあっては、去勢手術、不妊手術等繁殖制限の措置を講じること。
これは「行政の基準がこう定めている」という事実の紹介であって、うちからの医療の指南ではありません。手術の時期・適否・術式は、猫の状態を診ている主治医と相談して決めてください。
うちの場合(n=2の記録)
うちのココ(ブリティッシュショートヘア)とちくわ(マンチカン)は、2匹とも手術を済ませています。 ここは確定した事実として書けます。ちくわの去勢後は、エリザベスカラーの見慣れない姿に、先住のココが「違う子が来た」と一時びっくりして距離を置いていました(すぐに慣れました)。この様子は多頭飼いの記録に写真つきで書いています。
いっぽうで、手術にいくらかかったか、いつ受けたかは、今確認中です。 金額を「だいたいこのくらい」で埋めることはしないので、記録が取れ次第このページに実費として追記します。
関連するページ
- 毎月の飼育費の実額 → 猫2匹の毎月の飼育費、実測を公開
- 猫を飼う費用の全体像 → 猫を飼う費用のリアル、うちの実測を全部出す
- 手術後の様子(多頭飼いの実録) → 猫の多頭飼い、うちはこうだった
このページについて(免責)
このページは、公的な一次資料で裏づけできる手術費の目安と、自治体の助成制度を紹介するものです。特定の手術方針をすすめるものではなく、医療の指南もしません。
手術の費用は、麻酔・検査・入院などが加わって病院ごとに変わります。助成の金額・条件は自治体ごと・年度ごとに変わります。数字は目安として受け取り、最新の条件は各自治体の公式ページで、手術の適否や時期は主治医と相談して判断してください。猫の体調に気になるところがある場合は、自己判断せず、動物病院にご相談ください。
よくある質問
猫の去勢・避妊手術の費用はいくらですか?
日本獣医師会『家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和5年)』では、猫の去勢手術が中央値12,500円、避妊手術(卵巣子宮切除)が中央値22,500円です。ただしこれはいずれも麻酔料を含まない手術料です。実際の請求は、これに麻酔料・術前検査・入院・エリザベスカラーなどが上乗せされるため、総額はもっと大きくなり、病院によって幅があります。去勢では10,000〜20,000円未満の帯に6割超が集まります。手術の時期や術式は医療判断なので、主治医と相談してください。
猫の去勢・避妊に助成金は出ますか?
自治体によっては出ます。ただし「飼い主のいない猫」だけを対象にする区も多く、飼い猫が対象かどうかは自治体ごとに違います。飼い猫向けの助成を確認できたのは、東京都内では新宿区(去勢2,500円・不妊4,000円)、世田谷区(去勢3,000円・不妊6,000円)、荒川区(去勢3,000円・不妊6,000円)などです(2026年7月時点の各区公式値)。いずれも手術前の事前申請が必須で、区民要件があり、予算や件数の上限で年度途中に締め切られることがあります。お住まいの自治体で最新条件を必ず確認してください。
自分の住んでいる地域の助成金はどう調べればいいですか?
「(お住まいの自治体名) 猫 不妊 去勢 助成」で検索すると、たいてい自治体の公式ページが見つかります。確認したいのは、飼い猫が対象か(飼い主のいない猫だけでないか)、金額はいくらか、事前申請が必要か、区民などの要件があるか、予算枠が残っているか、の5点です。多くの制度は手術の前に申請しないと交付されません(術後の申請では不交付になる区もあります)。金額と条件は毎年度改定されるので、必ず最新の公式ページで確認してください。
出典
- 日本獣医師会『家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 調査結果(令和5年9月)』PDF(猫去勢12,500円・猫避妊22,500円ほか・全て麻酔料除く/2026-07-05確認)
- 新宿区『飼い主のいる猫の避妊・去勢手術費用の一部助成』(去勢2,500円・不妊4,000円/2026-07-05確認)
- 世田谷区『飼い猫の不妊去勢手術費助成』(去勢3,000円・不妊6,000円/2026-07-05確認)
- 荒川区『飼い猫の不妊・去勢手術費の一部助成』(去勢3,000円・不妊6,000円/2026-07-05確認)
- 環境省『家庭動物等の飼養及び保管に関する基準』(繁殖制限=去勢・不妊等の措置/平成14年告示37号・令和4年改正/2026-07-05確認)